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ヴィーガンで腹が立つ時


Q.ヴィーガンになってから、お肉を食べている人に腹が立ってしまいます・・・とても苦しいです。どうしたら良いでしょうか。

ヴィーガンとは動物性を一切摂取しないということではありません。ヴィーガンは「非暴力」に基づいた生き方です。


非暴力とは、人を蹴ったり殴ったり罵ったりという、言葉や物理的に危害を加えることだけではなく、本当の意味はさらに微細です。頭で考えること、心で思うこと、行動、すべてにおいて、誰も傷つけないということです。そして否定性も暴力のひとつです。

非暴力とは誰も傷つけないことで、同時に全ての人を助けます。


論破やロジックの逆効果


ヴィーガンを選択している人が他者を論破したり、ヴィーガンでない人に敵意を向ける動画を観たことがあります。彼らは多くの人にヴィーガンになってもらおうと行動していますが、それは逆効果です。

なぜなら、多くの人が「ヴィーガン」に惹かれるのはそこに「非暴力」という美しい態度を感じ取っているからです。

ヴィーガンにとって「非暴力」こそ花の蜜です。ヴィーガンの考え方やロジック、コミュニティなどは花弁に過ぎず、人が惹かれ自然と集まってくる蜜は、ヴィーガンの真価である「非暴力」にあります。


非暴力とは人間の持っている愛の一つの側面であり、人間の価値そのものです。いわば人の自然な振る舞いなのです。

他人を言葉やロジックで説得することはできません。その人の態度から香る蜜だけが言葉なき説得となります。


ヴィーガンは変容のきっかけ


ヴィーガンになるのなら、自分の中の「非暴力」でない部分を変えていかねばなりません。そのような機会が、自分にやってきたのです。


行動を変えるのは案外簡単です。難しいのは、考えを変えることです。さらに難しいのは思いを変えることです。思いは、ひとりでに湧いてきます。思いを口にださないことはできますが、思いを止めることは自分ではできません。自分では自分の「思い」を変えることはできません。



だからこそ、私たちはヴィーガンを選ぶのではなく、ヴィーガンから学ばなければいけません。その生き方から自分を変えてもらわねばならないのです。


その活動に参加するのは自分の変容のためである、と理解することが大事です。


そのような態度はサレンダー(降参する、降伏する)と呼ばれます。このような態度で「良い活動」に参加する時、必ず良い変化が訪れます。


離れることも非暴力の行動


外を変えようとしている自分を見つけたら、そこから離れ、自分の準備ができるのを静かに待つこともできます。


「"外を変えようとする自分" が引き出されてしまう」その状況から離れる、というのも非暴力の行動のひとつなのです。


「良い活動」の落とし穴


環境問題の活動や、ボランティア活動にも同じようなことが言えます。


それらの活動は「非暴力」が根底にあるので人は「良い活動」とどこかで認識するのです。しかしそれらの活動に「非暴力」が失われているのなら、それらは良い活動と呼べなくなってしまいます。


それらの活動をする中で、言葉やロジック、行動で人を説得できると考えてしまうとき、一度立ち止まることが必要です。


自分にはその活動に相応しい「非暴力」が備わっているのかを内観(内側の点検)を持つ時間をとってください。また長くその活動をしているのなら、その年月で自分が「非暴力」を培えたかを一度調査しましょう。


これらは「非暴力」が失われているサインです。人の本来の成長から逆行しています。


活動に参加すると、社会や、無関心な市民に変わってほしいと感じるでしょう。表面的に変わるのではなく、根本的に変わってほしいと願うでしょう。なぜ変わらないんだろう?なぜ声が届かないのだろう?と疑問にも思うかもしれません。

それと同等に、この世界はあなたに変わってほしいと願っています。表面的にではなく、根本的に変容してほしいと願っているのです。それは愛を思い出してほしい、非暴力という本来のあり方を思い出してほしい、という願いです。

「あなたがこの世界に望む変化に、あなた自身がなりなさい」というガンジーの言葉通り、社会や、あなた以外の誰かに「このように変化してほしい」と望む変化を、自分自身が遂げる必要があります。

「良い活動」へと走っていってしまった人は、帰ってきて、もう一度本来の目的へと立ちかえる時が来ています。

すべては「本当の私」を知る旅です。それ以外の目的はありません。


「本当の私」を知る旅とは、表面的な変化でなく、私たちの中の、思いやりや寛容さ、忍耐、理解を発見する、根本的な変容の旅なのです。



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